ツアー&コンサート

ブレバード・ミュージック・センターでバーンスタインの『ミサ』を見事に開花させたd&b Soundscape。

作曲家レオナード・バーンスタインの遺志に敬意を表し、ブレバード・ミュージック・センターの夏の音楽祭で芸術ディレクターを務めるキース・ロックハートは、最新技術を駆使し、クラシック音楽のパイオニア精神を現代に蘇らせるという課題に取り組みました。ジョン・F・ケネディ・センター(ワシントン)のこけら落としのために作曲されたバーンスタインの『ミサ』は、当時4チャンネルステレオを利用し、その音楽的な完成度と音響技術という両面から、新時代の幕開けを飾るものとなりました。

Soundscapeのことは実際詳しく知っていたし、サウンドをコンサートホールに配置していくという作業の経験もある程度はあったんだけど、Soundscapeは技術の最先端を進んでいるシステムで、僕がこうしたい、と考えるサウンドを確実に実現してくれるものでした。観客により一貫したサウンド体験をプレゼントできたと思います。ブラディ・ヒスロップ、サウンドエンジニア

「ボストン・ポップス・オーケストラの常任指揮者キースは、素晴らしい指揮者で、彼はバーンスタインの『ミサ』を以前にも一度公演したことがあったんだけど、今回、バーンスタインが本来意図したような4チャンネルサウンドをプレゼントしたいと考えていた」、と語るのはIris Designのサウンドエンジニア、ブラディ・ヒスロップ。ヒスロップはロックハートが4チャンネル効果に加えて「現代のコンサートホールで体験できる理想的な音響を求めていることが分かったんだ。だから、d&b audiotechnikの新しいツール、Soundscapeを選んだんです」。

「Soundscapeのことは実際詳しく知っていたし、サウンドをコンサートホールに配置していくという作業の経験もある程度はあったんだけど、Soundscapeは技術の最先端を進んでいるシステムで、僕がこうしたい、と考えるサウンドを確実に実現してくれるものでした。観客により一貫したサウンド体験をプレゼントできたと思います」。

d&b Education and Application Support (EAS)のニック・マルギエリの協力のもと、ヒスロップはSoundscape での360°サラウンドサウンドの実装に取り組みました。7台の等間隔に配置されたY10Pをステージトラスの真下、約20フィートの位置に吊り下げ、その両側にV-SUB、フロントフィルにはE6を、そしてE8がサイドとバックにレイアウトされました。

ストーリーが進行する中、舞台上を動き回るリードボーカル、楽曲の特徴ともいえる聴衆を取り囲むフルートソロ、などいくつかの情熱たっぷりのハイライトには、d&b En-Sceneサウンドオブジェクト配置ツールを活用し、絶妙にそれを際立たせることができました。ブラディ・ヒスロップ、サウンドエンジニア

バーンスタインは『ミサ』にクラッシック合唱団、少年合唱団、そしてストリートシンガーのコーラス、と3種類のコーラスグループを取り入れ、芝居のようなパフォーマンスを心に描きながらこの楽曲を作曲したと言われます。そして、オーケストラ、マーチングバンド、ロックバンドも登場します。ストーリーが進行する中、舞台上を動き回るリードボーカル、楽曲の特徴ともいえる聴衆を取り囲むフルートソロ、などいくつかの情熱たっぷりのハイライトには、d&b En-Sceneサウンドオブジェクト配置ツールを活用し、絶妙にそれを際立たせることができました。

「この上演はジャズ、ロック、合唱、とジャンル間を素早く移行していく構成で、音源によってはルーム・エミュレーションツール(En-Space)も使用しました。ほんの少し残響が必要なものもあれば、ボーカルをクリアに浮き出させるためにクリーンに仕上げなければならないものもありました。機器を駆使することによって、それらすべてを、レコーディングさえも取り込みながら、一つにきれいにまとめることができました」。ヒスロップが『ミサ』の世界初演オリジナルレコーディングにアクセスし、それをこのパフォーマンスに取り入れたことは興味深いエピソードです。

また、演奏を単に増幅するのではなく、それらを‘空間’にリアルなサウンドとして配置できるように、オーケストラの一部にマイクを入れました。リスニング体験をより自然なものにできるように。本当に自然なサウンド体験に仕上がったので、観客はサウンドオブジェクトの配置なんて全く気が付かなかったでしょうね。ソロボーカルのサウンドがオーケストラのサウンドから引き立つように増幅されたのには気が付いたでしょうが、オーケストラそのものは本当のライブサウンドのような印象だったはずです。すべてがきれいに一つのサウンド空間として仕上がりました。ブラディ・ヒスロップ、サウンドエンジニア

「3つのコーラスにもマイクを使いました。リードシンガーはカーディオイド型マイクを使っていたので、En-Sceneを使って、シンガーのステージでの動きに従ってその声を移動させました。観客の耳には、まるでシンガーの位置からそのまま歌声が聞こえてくるような印象を与えることができました。

「また、演奏を単に増幅するのではなく、それらを「空間」にリアルなサウンドとして配置できるように、オーケストラの一部にマイクを入れました。リスニング体験をより自然なものにできるように。本当に自然なサウンド体験に仕上がったので、観客はサウンドオブジェクトの配置なんて全く気が付かなかったでしょうね。ソロボーカルのサウンドがオーケストラのサウンドから引き立つように増幅されたのには気が付いたでしょうが、オーケストラそのものは本当のライブサウンドのような印象だったはずです。すべてがきれいに一つのサウンド空間に仕上がりました。」

上演スケジュールとこれが権威あるブレバード・ミュージック・センターの夏の音楽祭であることを考えれば、新しいd&bのソフトウェアプラットフォームを採用するのは極めて大胆な決断でした。「火曜日の夜に追加スピーカーとアンプをセットアップしました。翌朝、スピーカーの接続をテストして、全部がちゃんと機能していることを確認できる時間は90分しかなかったんですよ。それから、その日から4日間予定されていた他の演目のリハーサル、そして本番がスタートしましたからね。

サウンドを配置するっていうのは新しいコンセプトではなかったんですが、こんなにシームレスに進めていけなんて、なんだか魔法使いの気分でしたね。技術面からも、芸術面からも、とにかく素晴らしい結果になりました。ブラディ・ヒスロップ、サウンドエンジニア

「d&bが提供してくれたサポートは本当にありがたいものでした。Soundscapeを使ったことは一度もなかったんですが、ライアン・ハーギス(d&b EASチームのメンバー)との話し合いを何度も重ねていくうちに、キースが実現したいものを実現できるツールはこれだ、ってはっきり確信しました。サウンドを配置するっていうのは新しいコンセプトではなかったんですが、こんなにシームレスに進めていけなんて、なんだか魔法使いの気分でしたね。技術面からも、芸術面からも、とにかく素晴らしい結果になりました。」