劇場&オペラハウス

ベトナム初のd&b Soundscapeシステムの導入 - ハノイのフレンドシップ・シアター。

ハノイのフレンドシップ・シアターは2022年下旬、ベトナムのパフォーミング・アーツの劇場としては初めてd&b Soundscapeシステムを導入しました。ハノイ中心部に位置する、ブルータリズム様式のフレンドシップ・カルチュラル・パレス内にあるこの劇場は、街の重要な歴史的ランドマークの一つであり、クラシック、ダンス、その他の文化的パフォーマンスなど、多岐にわたる国内外の作品の舞台となっています。メインスペースは、2階建て1100席の大ホールです。

ここでは、精確なソース位置特定と、V10Pポイントソースと組み合わされた180°正面システム用のXSLラインアレイを実装するために、En-Scene(エン・シーン)アルゴリズムを備えたDS100シグナルエンジンから成るシステムセットアップが導入されました。

XSLアップグレード

d&bの販売パートナーであるStage Professional社は2019年、会場での火災の後、劇場にあったVシリーズをアップグレードするべく、d&b XSLラウドスピーカー・システムの導入についての協議を開始しました。主要エリアの再建と改修の後、このプロジェクトは、Stage Professional社の取締役であるディン・ヴィエット・ハン氏、劇場のオーナー、そしてd&b Asia-Pacificのエデュケーション・アプリケーション・サポートのスペシャリストであるロイストン・タンとの間の協力のもとで進行しました。

「フレンドシップ・シアターのチームは、d&b Soundscapeを利用して特別なショーを催したり、客演公演にイマーシブな音響システム・オプションを導入することに関心を抱いていました」とハン氏は説明します。「従来のLRステレオ設定からSoundscape体験に簡単に切り替えることができ、観客が会場内のどこに座っていても精確なイメージを知覚できるような高品質のサウンドシステムが必要でした」

明瞭なカーディオイド・ソリューション

「さらに、この劇場では、ステージ上のノイズを低減し、極めて明瞭なサウンドを前面に出すために、真のカーディオイド・ラウドスピーカー・ソリューションも求められます。私たちが指定、導入したd&b XSLおよびSoundscapeシステムによって、こうしたことが容易になりました」

大ホール内には、8本のXSL8ラウドスピーカーと4本のXSL12ラウドスピーカーが設置され、4本のV-SUBサブウーファーが低域用に設けられました。そしてこれらが、フロントフィル用には6本のV10Pおよび6本の44Sラウドスピーカーによって強化され、さらに6本の44Sラウドスピーカーがディレイフィルとして使用されます。システムの中心にあるのはDS100シグナルエンジンで、システムはD80、10D、D6アンプで駆動されます。d&bの機材を提供したのは、Stage Professional Vietnam社です。導入・施工チームは、d&bのロイストン・タン、ミキシングエンジニアのニョッ・ヴテゥアン氏、Fantasies Show Light Vietnam社のシステムエンジニアであるニュエン・テット氏から構成されました。

「XSLスピーカーはコンパクトで、まったく見切れがありません。これは最高です」とハン氏は続けます。「1階に約700席、2階に約400席を擁するこの劇場内では、どこに座っていても音像が精確に聞こえるため、席の位置はもはや問題にはなりません。観衆は通常この新しいテクノロジーのことを知りませんが、目で見るのと同じ場所から音が聴こえてくるので、それを耳にすることによって新しい体験をしていることは確かです。

「フレンドシップ・シアターのオーナーはサウンドにとても満足しています。 現在では、ここで行われるショーの価値が上がり、ベトナムの新しい劇場技術のリーダーとして知られるようになっています」

サウンドの新次元

ロイストン・タンは次のように付け加えます。「Soundscapeは、まったく新しい次元の音響制作のクオリティーを劇場にもたらしました。En-Sceneを用いると、ミックスエンジニアは、サウンドステージの幅と奥行きの感覚を観衆にいとも簡単に伝えることができます。また、Figure 53のQLabのようなショーコントロール・ソフトウェアと統合されているため、ショーの自動化や動きのキューもリアルタイムかつシームレスに実行できます。DS100シグナルエンジンもマトリックスなので、システムは、ステレオとSoundscapeオペレーション・モードを切り替えて様々な制作要件に対応できるように構成されました」

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